演技派な俳優が多数所属している芸能事務所「ユマニテ」。
先日放送され話題となった「ブラッシュアップライフ」(日本テレビ系)での安藤サクラ、「リバーサルオーケストラ」(日本テレビ系)での門脇麦、「ドライブ・マイ・カー」での三浦透子もユマニテに所属する俳優です。
いずれも存在感のある個性的な俳優ですよね。
今回はこのユマニテについて深堀してみようと思います。
ユマニテは創立42年目のタレントプロデュース会社
社名の正式名称は「株式会社ユマニテ」。
事業内容はタレントプロデュース。
企業リスト作成サービスFUMAによると、ユマニテの創業は1981年5月。
2023年現在で創立42年になり、従業員数は7名となっています。
これだけ活躍する俳優を抱え、従業員数7人というのは驚きます。
ユマニテとはどんな事務所なのか気になりますね。
社名のユマニテってどういう意味?
初見ではユマニテ??ユニマテ?とわからなくなってしまいそうな社名です。
これはフランス語でhumanité(ユマニテ)と表示します。
humanitéの意味は「人類」「人間性」「人間の本性」など。
英語ではhumanity(ヒューマニティ)。
ヒューマニティだと納得しますね。
その意味の通り、所属している俳優やモデルは皆、人間味あふれる演技派ばかり。
他にはない独特の存在感を放っており事務所のポリシーが社名に表れているように感じます。
少数先鋭!所属俳優は22人
公式HPによると2022年現在、所属する俳優は22人です。そのうち研修生が3名。
少数先鋭なのがわかります。
例えば、ブラッシュアップライフで安藤サクラと共演していた夏帆の所属するスターダストプロモーションは総勢1000人、同じく同ドラマで共演の木南晴夏の所属するホリプロは400組を超えるタレントが所属しています。
ユマニテの所属俳優の少なさがわかります。
2022年現在ユマニテに所属する俳優をまとめてみました。
所属俳優 | 主な作品 |
蒔田彩珠 | 妻、小学生になる |
シム・ウンギョン | 100万回言えばよかった |
岸井ゆきの | アトムの童(こ) |
古川琴音 | どうする家康 |
晃平 | 新・幕末純情伝 |
三浦透子 | ドライブ・マイ・カー |
伊東蒼 | おかえりモネ |
ヤン・イクチュン | あゝ、荒野 |
門脇麦 | リバーサルオーケストラ |
青木柚 | 100万回言えばよかった |
山田真歩 | あなたの番です |
安藤サクラ | ブラッシュアップライフ |
寛一郎 | 鎌倉殿の13人 |
藤井美菜 | しずかちゃんとパパ |
樋口可南子 | 愛を積むひと |
井之脇海 | クロサギ |
北浦愛 | 怪物 |
岡山天音 | ミステリと言う勿れ |
内田淳子 | 椿の庭 |
嘉戸耕太郎[研修生] | モデル |
佐々木ありさ[研修生] | パーフェクト・シェアハウス |
安光隆太郎[研修生] | ぬいぐるみとしゃべる人はやさしい |
名前を聞いて顔が浮かばなくても、作品での印象が強い人が多いので写真を見ると「この人か!」と思うメンバーが多いです。
例えば山田真歩は「ブラッシュアップライフ」では主人公の働く研究所の先輩・鶴野多江役として出演。そして、同じくバカリズム原作・企画のドラマ「架空OL日記」では、入社10年目の先輩銀行員・酒木法子役として、若手との絶妙なやり取りが印象的でした。
古川琴音はJT(日本たばこ産業株式会社)のCMで個性の違う姉妹の妹役として、強く印象を残しましたし、ドラマ「ペンディングトレイン」(TBS)では、自分が欲しい物を手に入れるためには極限の状況下でも、自分本位なわがままなふるまいで和を乱してしまう個人主義のネイリスト役として注目されました。
社長は映画プロデューサーでもある凄腕女性。
ユマニテの代表取締役は 畠中鈴子氏。
2023年現在75歳です。
メディアに登場する機会はほとんどありませんが、2018年に開催された第42回山路ふみ子映画賞の贈呈式に、万引き家族で女優賞を獲得した安藤サクラの代理で登壇しています。
当日安藤サクラは、連続テレビ小説「まんぷく」の撮影で出席できず、畠中社長が代理で出席する形になりました。
そこでのスピーチで安藤サクラについて
「本当に素晴らしい女優であり、女性です。全身全霊を打ち込んで演じ、現場を大事にする愛にあふれた人です。もっとすごいなと思うのは、演技が絶賛され、今日のような賞をいただいても安藤はまったく変わりません。」
と称賛しました。
畠中氏は業界では知られた名物社長で、所属俳優のプロデュースに長けていること、また愛情深いことで有名とのこと。
所属俳優が出演する作品にも非常にこだわりを持っており、脚本を社長自らしっかり目を通して仕事を決めるのだとか。
ユマニテは俳優のマネージメントをする事務所ですが、近年は立て続けに映画製作にも携わっています。
畠中鈴子氏が企画からプロデュースといった細部に関わっており、映画製作への熱い情熱を感じます。
畠中鈴子氏の携わった主な映画作品は以下のようになります。
作品名 | 畠中鈴子の役職 | 主な出演者 |
月子2017 | プロデューサー | 三浦透子、井之脇海 |
海辺の生と死2017 | 製作企画 | 満島ひかり、井之脇海 |
アレノ2015 | 製作 | 山田真歩 |
白河夜船2015 | 製作 | 安藤サクラ |
0.5ミリ2013 | アソシエイトプロデューサー | 安藤サクラ |
ざわざわ下北沢2000 | 製作総指揮 | 原田芳雄 |
椿の庭2019 | エグゼクティブプロデューサー | シム・ウンギョン |
上記の中で私は安藤サクラ主演の「0.5ミリ」を鑑賞しました。
アマゾンのプライム会員ならすぐに鑑賞可能です。
アマゾンプライムビデオでの視聴はこちらから過去に所属していた俳優たちもすごい顔ぶれ
ユマニテに以前所属していた俳優を調べてみると、これまたすごい顔ぶれです。
中でも元ユマニテ所属だったと納得するのは満島ひかり、伊藤歩、桜木ユキといったやはり演技派俳優たち。
ちなにみ満島ひかりは2018年にフリーになり、伊藤歩は2007年Anoreへ、桜木ユキは2020年スターダストプロモーションに移籍しました。
また、名優根津甚八も亡くなるまでユマニテ所属でした。
なお、満島ひかりについてユマニテはHPでの発表で
《プロダクションという枠に守られる形ではなく、すべて自分の責任のもと、自由に独りでやってみたいという本人の意思を尊重することにいたしました》
中略
《所属という形ではなくなりますが、今後ともできる限りのサポートを続ける所存です。満島ひかりの今後をどうぞよろしくお願いいたします》
といった暖かい後押しを感じます。
ちなみに、実弟の満島 真之介もユマニテに所属していました。
満島 真之介の元妻は満島ひかりのユマニテ在籍時の担当者であり、苦楽を共にしたマネージャーでもありました。
ユマニテが注目を集めたのは東出昌大の不倫騒動
一躍ユマニテが注目を集めたのは、当時所属していた東出昌大の不倫騒動での畠中社長の対応です。
2020年に発覚した東出の不倫報道を受け、当初は東出の2億円といわれるCM違約金を肩代わりし、離婚後も活躍を信じ支援をしてきましたが、別の女性との軽率な行動が再度スクープされてしまい東出との契約を解消するに至りました。
その時の畠中社長の声明は痛烈で事実上の絶縁であると映り、話題となりました。
ここまで、社長がせきららに感情を前面に出した事務所のコメントも珍しいと思います。
大切に育ててきた所属俳優を全力で守ろうとするも裏切られ、畠中社長の失望と虚しさがとても大きかったことがうかがえます。
俳優としてユマニテに入るには?
ユマニテの求める人材はずばり
魅力 × 才能 × 人間力
オンリーワンの人材であると同時に、人に愛され人を大切にする人を求めています。
美男美女でスタイル抜群の量産タイプではない、ユマニテ色のある人、オリジナルな人材を募集しているようですね。
そしてそれを見抜く確かな目をユマ二テは持っていると思われます。
ユマニテではオーディションで人材を募集しています。
応募方法は、専用応募用紙をダウンロードするか履歴書を郵送にて送付する方法のみになります。
メールでの応募は受け付けていません。(2022年現在)
直筆の応募用紙や履歴書にすることで、その筆跡や行間などから滲み出る人間性も選考基準になっているのかもしれませんね。
応募用紙のフォームは2枚になっており、記入項目は主に以下のようになっています。
- 学歴・職歴
- 芸歴
- 趣味
- 特技
- 好きな芸能人
- 尊敬する人
- 好きな映画・テレビ・舞台
- 好きな書籍・作家
- 好きな言葉
- 志望動機
応募資格は12歳〜25歳の男女で、未成年は保護者の同意が必要になります。
写真は全身と上半身のもの各1枚が必要で、映像があればそのURLなど形式は問いません。
合否の返事は以前は封書でしていたようですが、現在は事務所のキャパを超えるほど応募があるようで、書類通過した場合のみ連絡が来て面接になるようです。
現在のユマニテ所属の俳優を見ていると、「自分もこの事務所に入りたい!」と希望者が殺到するのも頷けますね。
まとめ
安藤サクラや三浦透子、門脇麦といった今注目の個性派俳優たちが多く所属する事務所ユマニテ。
ユマニテは映画プロデューサーでもある凄腕の女性、畠中鈴子氏が社長の少数先鋭の芸能事務所であることがわかりました。
決してスタイル抜群の美男美女というのではないけれど、一度作品を見るとずっと印象に残るような俳優が多いのが特徴ではないでしょうか。
例えば、斬新なストーリーで大好評だった「ブラッシュアップライフ」(日本テレビ系)では所属する安藤サクラ、三浦透子、山田真歩が出演していました。
どの役柄も、実在していそうで個性的なユマニテ色を吹かせていました。
所属俳優22名、従業員数も7名前後(2022年)ということから、俳優もスタッフも少数先鋭なのだとうかがえます。
芸能事務所でありながら、畠中社長の映画製作への熱い情熱も感じられ、どの作品に誰をどう起用していくかがしっかり練られており、所属俳優を丁寧に育てている印象です。
高齢ながら、今なお精力的に活動されている畠中社長や、所属する演技派俳優たちの今後の活躍が楽しみですね。
株式会社ユマニテ
株式会社ユマニテ 代表取締役 畠中鈴子
〒150-0021
東京都渋谷区恵比寿西 2・17・12 エナ代官山 302
業務内容 タレントプロデュース